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VC:櫻井 孝宏 治安維持を目的とした武装組織「ギャラルホルン」に於いて、組織内の調査を目的とした監査局に所属する特務三佐。 明晰な頭脳と冷静な判断力、そして鋭い洞察力を持ち合わせ、小さな綻びや不正も決して見逃さないなど監査官として高い手腕を誇る。 また、戦闘に於いては専用にカスタマイズされたシュヴァルベ・グレイズに搭乗し、その頭脳を以って状況を解析し、敵を確実に追い詰めるなどパイロットとしての実力も確か。 歴史に対しても造詣が深く、ギャラルホルンの成り立ちやガンダム・フレーム、阿頼耶識システムの開発経緯やその特性など、厄祭戦当時の情報にも精通している。阿頼耶識研究所の存在やバエルの阿頼耶識規格を知っておりその知識は表のそれのみでなく裏に隠された歴史にまで到達している、が経緯等の詳細は不明。 強大な影響力を持ちながら内部の腐敗が進むギャラルホルンの現状を憂い、組織の改革を望んでいる。 しかし彼自身もまた、モンターク商会代表という裏の顔を作っているなど、清廉潔白とは言い難い。必要に応じて二つの身分と様々な「顔」を使い分け、時として知人すらも欺く事から彼が胸に抱く真意を見抜く事は難しい。 ギャラルホルンを束ねる「セブンスターズ」の一家門ファリド家の跡取りだが、当主イズナリオの実子ではない。 元は彼によって男娼として拾われたストリートチルドレンであり、イズナリオのハーレムに迎えられた後、その中から容姿や能力の優秀さを認められ養子として引き取られた 元々孤児であった為、世間体を気にしたイズナリオによって「妾の子」という身の上を用意されているが、彼との間に血の繋がりが無いのは周知の事実となっている。 同じセブンスターズの出身であるガエリオ・ボードウィン、カルタ・イシューとは幼馴染であり、カルタからは子供の頃より想いを寄せられている。また、ガエリオの妹・アルミリアは親同士が決めた許嫁の関係にある。 支配に抗う孤高の強さとして、三日月・オーガスのことを評価し取り込もうとしていたが、その戦いは共にある仲間ありきのものであると気付いたことから、最後には「自分には出来ない生き方だ」と諦めている。ある意味三日月達の対・陰と言える存在である。 ギャラルホルン改革を志したのは、幼少期から人間の負の面を強く意識させられる境遇に置かれていた事と、ギャラルホルン創始者アグニカ・カイエルの伝記に影響を受けた事に起因している。 貧困層で生まれ育った影響もあって富裕層に対する劣等感が強く、それ故に権力や暴力といった強大な力に強い執着を示すが、一方で愛情や友情といった人の情に対する関心が薄く、「友」に対して特別な感情を抱く事もあるが、必要であればそれすらも利用し切り捨てる非情さも覗かせる。 また、これらの経験の蓄積によって「人間は過去に縛られる事で未来の目標が決定づけられる」という持論を確立し、それを応用した人心掌握術にも長ける。 ただしこの過去からは自らも逃れられないという事も自覚しており、ラスタル・エリオンからはその執着を断ち切れぬまま育ってしまった姿を、「大人になれない子供」と評された。 上述した冷酷な暗躍の原動力として、自由や幸福を奪った世界に対する憎悪が、彼の奥底では絶えず煮え滾っている。時折「私」という外面を破り、顔を出す「俺」の激情こそが、あるいはマクギリスという男の、最大の凶器であったのかもしれない。 何故に力を欲するのか?何をされたが故に怒っているのか?では何を欲していたのか?など、二面性という言葉ですら表しきれない、複雑に捻れた心理構造を有している。 終盤まで核心に触れられることがなかったことも手伝って、彼を理解するのは非常に難しくなっており、演じている櫻井孝宏氏ですらも、最後までどう演じていいか分からなかったとのこと。 ガエリオと共に監査官としてギャラルホルン火星支部に派遣され、そこでガンダム・バルバトスを擁する鉄華団と邂逅。火星軌道上での戦闘で彼らと浅からぬ因縁を持つ事になり、同時に上述どおり、バルバトスを駆る三日月に興味を抱き始める(これと前後して桜・プレッツェルの農園で偶然ではあるが三日月と遭遇しており、彼の戦士としての資質を見抜いている。なお、その際の騒動から彼は三日月からチョコレートの人と呼ばれるようになる)。 その後、火星での監査を終え地球圏に帰還するとモンタークとして鉄華団に接触。彼らを腐敗したギャラルホルンの組織改編の為の外的要因に成るであろうと期待を寄せ、陰ながらに支援を開始。同時にギャラルホルン内に於いてもマクギリスとしての立場を利用して暗躍し、ガエリオやカルタを言葉巧みに操り、計画を進めた。このさいマクギリスは自身の本名がモンタークだと劇中で名乗っているが、それがどういった意味での「本名」なのか詳細は不明。 そしてエドモントンでの戦闘に於いて、グレイズ・アインが市街地に侵入したのを頃合いとばかりにグリムゲルデに乗り状況に介入。ガエリオに対して真実を語ると共に激昂した友に刃を突き立てた。
鉄華団の勝利とガエリオの死を見届けた後、イズナリオを失脚させファリド家とボードウィン家を手中に収めるとギャラルホルン改革の為に奔走。 そして、カルタの後任として地球外縁軌道統制統合艦隊の司令に就任し、准将へと昇進。同艦隊をより実戦向けな部隊として再編した他、艦隊の主力機であるグレイズリッターの改良を行うなど、その才覚を多方面に発揮した。 そして、自らに阿頼耶識システムを施術した後、革命の理想に共鳴するライザ・エンザ一派を動かしてギャラルホルン本部「ヴィーンゴールヴ」を武力によって制圧。 施設地下に封印されていたガンダム・バエルを手中に収め、その威光を以って組織の全権掌握を図るが、時を同じくして仮面を外し自らと敵対する決意を固めたヴィダール(=ガエリオ)とラスタルが自身に敵対する事を表明。更に自身が過去にしてきた裏の所行を白日の元に晒される事となった。 クーデターを起こしバエルを手中に収め、革命軍を率いて鉄華団と共にアリアンロッドと戦うも、敗戦。腹心である石動を失い、ギャラルホルン内での全権を剥奪されたマクギリス。火星の鉄華団本部に身を寄せることになったが、ラスタルによって犯罪者として国際指名手配され、おまけに鉄華団本部はアリアンロッドのMS部隊に囲まれてしまう。 利用していた鉄華団にも長く行動をともにする中で情はあったようで、オルガやクーデリア達が車でクリュセへ脱出できるよう包囲部隊にいたイオク・クジャンを挑発して戦闘を起こすことで一時期警備を手薄にさせた。オルガ達の脱出を見届けて彼らに別れを告げ、最後の戦いのため一人宇宙に飛び立つ。
感情をむき出しにし、バエルを操り鬼神のごとく敵MS部隊や艦隊を次々と撃破していく。そして それを防がんとするガエリオとの壮絶な一騎討ちの末に重傷を負うが、それでも諦めきれずにバエルを降りてラスタルの座乗艦に潜入し、彼を銃殺しようとする。 だが、その行動を読んでいたガエリオに銃で撃たれ致命傷を負い、完全に野望を絶たれてしまった。 今際の際にガエリオに詰め寄られたマクギリスは、自身の心境をガエリオに打ち明けた。 ガエリオやカルタに本当の友情を持っていたが、それを否定しなければ今まで抱いてきた自分の思いを見失ってしまいそうで、あえて友達ではないふりをしたこと。 アルミリアのことも野望の道具としてではなく本心から愛しており、第一期の最終決戦でガエリオに言い放った「アルミリアの幸せは保証しよう」という言葉を現実にしたかったこと。
そんなマクギリスの想いを聞いたガエリオは無意識に涙し、最後にマクギリスが何か言おうとしているのを首を締めながら遮り
「言うな! 言わないでくれ…お前が言おうとしている言葉が俺の想像通りなら…言えば、俺は許してしまうかもしれない…だから言わないでくれ。カルタのために、アインのために…俺はお前を…!」
と、敵意と友情の間で葛藤していることを訴える。それを聞いたマクギリスは、ガエリオに看取られ静かに事切れた。
最期にはこれまでの主義主張をかなぐり捨てるように、世界に混乱を起こすための戦いに臨んだマクギリス。 結局のところ、口にし続けた新たな秩序も、ただ目的を叶えるための手段に過ぎず、それにより得られる自由が本当の望みであったからこそ、彼は混沌の中でも笑えたのかもしれない。
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